タリバンが8月にアフガニスタンの権力を奪取した後、首都カブール入りしたロシア人の最初の一団の中に、マキシム・シュガリー氏(55)の姿もあった。彼は、ロシア政府に協力しているエフゲニー・プリゴジン氏の下で活動する謎の多い人物だ。プリゴジン氏は、2016年米大統領選挙へのロシアの介入に関与したとして、米国の制裁対象になっている。社会学者で政治工作にもかかわっているシュガリー氏は、大物実業家のプリゴジン氏が率いる政治・安全保障ネットワークにタリバンが寄与できる分野を探し出すことを目的としてカブールを訪れた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と親しいプリゴジン氏は、ロシア政界に強い影響力を持つ最有力者の一人でもある。シュガリー氏は、タリバンのトップレベルの当局者と会談したり、世論調査やインタビューを行ったりして、ロシア政府にとって有用な機会が存在するかを確認した。