――筆者のジョン・リー氏はハドソン研究所およびシドニーの米国研究センターのシニアフェロー。2016~18年にオーストラリア外相の国家安全保障担当上級顧問を務めた。 ***  中国の巨大不動産開発企業「中国恒大集団」の窮状を世界は注視している。2008年に米国で起きたリーマン・ブラザーズの破綻と同様の状況に、中国政府が近く直面するのではないかと考えている者もいる。習近平国家主席は不動産バブルの崩壊を防げるかもしれないが、中国経済は持続可能な成長には向かっていない。恒大の窮状は、習氏の下での政治主導の経済が以前よりずっと不安定になっていることを改めて示している。