中国の電力不足が
銅、アルミ、亜鉛などの価格高騰につながる
銅、アルミニウム、亜鉛の世界最大の生産国、中国では電力不足が深刻だ。
昨年からの異常気象(猛暑、厳冬、渇水、洪水)や新型コロナからの景気回復に伴い電力需要が増加。これに対し、環境対策から石炭火力発電所の稼働を抑制するといった過剰な脱炭素の動きによって、電力供給が追いつかなくなった。
そもそも脱炭素の動きで石炭の増産がし難い上、新型コロナの問題を背景に最大輸入国だったオーストラリアからの石炭の輸入を停止していることも、中国の石炭調達を困難にした。その結果、中国の多くのエリアで電力供給が制限され、電気料金の引き上げも始まっている。
アルミや亜鉛、銅は生産時に大量に電力を消費するため、電気料金の引き上げはコストを増加させる。既に電力が供給されないことにより、中国南部の精錬所などでは生産停止に追い込まれる事態となっている。電力不足がアルミ、銅、亜鉛などの価格高騰につながったのだ。
アルミニウムや銅といった国際商品は、先物取引所で取引されている価格をベースに現物の売買価格が決定される。
CME(シカゴマーカンタイル取引所)やLME(ロンドン金属取引所)の価格が上昇すれば、原材料を調達している製造業のコストアップ要因となる。こうしたコストアップは、一般的なコスト削減で対応できないリスクである。
また、現物の売り手が現物の買い手に対して「現在のその地域の需給を参考にして上乗せする」という現物プレミアムも上昇している。
特に現物プレミアムの上昇が足元で顕著なのが、米国である。米国は他国よりも比較的早く新型コロナをコントロール下に置いたため、製造業の生産活動の回復も早かった。
しかし生産に必要な金属は、米国よりも早く新型コロナの影響から脱却した最大消費国である中国の周辺国に集積しており、コンテナ船の供給能力に制限がある中では米国の消費者は必要な物資を確保することができなかった。
このため、現物プレミアムが上昇している。現物プレミアムの上昇も、製造業が購入する原料価格の上昇要因となる。




