野菜の食べられない部分を
契約産地や牧場に提供

「創業当時から製造過程で発生する食材ロスの削減を意識していました。ただ、2011年に当社が掲げた『サラダクラブのこだわり 4つの約束』というミッションをきっかけに、社員一人一人の意識が、食品ロスの削減にしっかり向くようになった印象があります」

 そう話すのは、パッケージサラダの製造・販売などを行っているサラダクラブの広報・広告宣伝部の吉田政道氏。「4つの約束」のうち「食卓にもっとエコを」の項目では、製造過程で排出されるCO2の削減と、生産時に排出された原料の廃棄の削減を目標にしているという。

「パッケージサラダには、製造時に発生する野菜の外葉や芯などは使えません。工場で取り除いた部分を細かく砕いて水分を抜き、肥料にしています。それを契約産地や酪農家のみなさんに売却して、畑にまいてもらったり、家畜の飼料にしてもらったりしています。その後、契約産地で採れた野菜は、私たちが買い取って加工します。サラダクラブではこのシステムを“循環型農業”と呼んでいます」

 同社には、循環型農業を徹底して「野菜廃棄物ゼロ化」を実現した直営工場もあるという。そのほか、原材料が多く採れたときは、パッケージサラダの内容量を増やして販売し、産地での原料廃棄量の削減につなげている。

「たとえば、レタスの産地で有名な長野県の農家でレタスがたくさん収穫できても、すべて市場に出るわけではありません。市場に出しすぎると値段が安くなってしまうため、収穫したそばから捨てなければならない、という実情があります。しかしサラダクラブでは、契約産地で大量の野菜が収穫できたときは、価格は変えずに通常60gのパッケージサラダを企画品として100gに増量して販売しています。そうすると市場で値崩れを起こさず、畑での廃棄も減らすことができます」