農林水産省、消費者庁、環境省は、10月を「食品ロス削減月間」と定めて食品ロス削減を呼びかけるポスターの掲示や「食品ロス・ゼロ」川柳コンテストを開催するなど、多くの啓発活動を行っている。それもそのはず。「食品ロスの削減」は、持続可能な開発目標(SDGs)の一つにも数えられる、世界的な社会問題なのだ。こうした背景から、食品ロスを減らす施策を行う企業も少なくない。食品メーカーが歩む食品ロス削減への道のりに迫る。(清談社 真島加代)
世界で3番目に多い
日本の食品廃棄量
農林水産省および環境省によれば、日本では1年間に約600万トンの食品ロスが発生している。
食品ロスの主な原因は、スーパーやコンビニなどの売れ残りや、規格外で市場に出る前に廃棄される「事業系食品ロス」と、家庭内での残飯、賞味期限切れで使わずに捨てる食材、野菜の皮などの生ゴミなどの「家庭系食品ロス」の2種類。
そして、日本で発生する食品廃棄量は、中国、アメリカに次いで3番目に多いといわれている。
残念ながら「食品ロス大国」となっている日本だが、現状を打開すべく積極的に食品ロス削減に取り組む企業も多い。そこで今回は、食品ロス削減に挑む二つの企業に話を聞いた。