習近平国家主席が「今の中国の食べ残しの現状を目にして、衝撃を受け、心を痛めている」と語り、食べ残しに警鐘を鳴らした。もともと中国では、外食で客人をもてなす際には、ホスト役は食べきれないほどの大量の料理を注文し、客人もわざと食べ残すのを礼儀とする文化が根強くある。このため、中国のマスメディアやSNSでは「食べ残し」についての話題や議論で盛り上がっている。(日中福祉プランニング代表 王 青)
中国のマスコミやSNSでは
「食べ残し」が話題に
最近、中国のマスコミやSNSでは、中国のレストランで毎日発生する「食べ残し」についての話題で賑わっている。
これらによると、中国の主要都市の外食産業で廃棄される食べ残しの量は1日1700万~1800万トン。とりわけ、上海は6000トン、成都は2200トン、杭州はなんと1.2万トンと驚くべき数字である。金額で計算すると、廃棄される食べ残しは年間2000億人民元に上り、2億人分の1年間の食料費に相当するという(※筆者注:実はこれらデータはさまざまなものが発表されており、どれが正確なのかは判断が難しい。とにかく欧米諸国や日本などに比べ、大量の食べ残しが発生していることは確かである)。
中国のレストランでは、大量の食べ残しが捨てられていく光景が日常的に見られる。炒め物や蒸し物、各種の点心、主食の麺類やご飯類など、そして、一箸も付けてない料理も無情にゴミ箱に廃棄されていく。