コロナで加速するフードロス、根本原因は食品業界の「暗黙のルール」日本の食品廃棄量は年間643万トン。国民1人あたり、1日約132g(茶碗約1杯分)を食べずに捨てている

コロナによる五輪延期で
食品生産者に大打撃

 新型コロナウイルス感染症の影響で、オリンピック・パラリンピックが延期になってしまった。政府の自粛要請を受けて飲食店やホテルが休業し、学校給食も中止に追い込まれた。

 今年はオリンピック需要を見込んで、農林水産省が生産者に例年より食品の生産量を増やすように指示を出していた。そのために打撃を受けた生産者は多く、在庫を抱えて苦慮している状態だ。中には保存のきかない食品も多い。かといって大量の余剰品を生産者が自力で売りさばくのは難しいものがある。

 窮地に立たされた生産者を救済しようと、農林水産省が「元気いただきますプロジェクト」という支援活動を立ち上げた。生産者は余剰食品をショッピングサイトに出品し、一般消費者へ販売する。その際、送料は農水省が全額負担をする仕組みになっている。

 出品されているのは、国産和牛のほか、まぐろ、ぶり、鯛、ふぐ、蟹などの海産物や、野菜、果物、日本茶、ジビエ類といった比較的高価な食品が多い。