また、以前は廃棄していたキャベツの芯を活用して、新商品を生み出した例もある、と吉田氏。

「キャベツライス」のパッケージ「キャベツライス」のパッケージ。「糖質制限ダイエットをしている人からのニーズが高く、リピーターが多い商品です」(吉田氏)

「キャベツの芯は、千切りキャベツやミックスサラダなどのパッケージサラダには入れられません。でも、食べてみると甘みがあるし、シャキシャキした食感もおいしいです。そこで当社では、製造過程で出たキャベツの芯をお米サイズにカットして『キャベツライス』という商品を2018年に発売しました。チャーハンやオムライスなど、加熱料理で味をつければお米の代わりとして食べられます」

「キャベツライス」は糖質とカロリーを抑えられるため、健康志向の人々から支持を得ているという。

洗浄方法の工夫で
野菜の鮮度を維持

 同社の主力商品でもあるパッケージサラダにも、食品ロス削減につながる工夫が施されている。

「一般的なパッケージサラダ商品は、加工日から3日ほどで消費期限が来ます。しかし、当社の千切りキャベツとミックスサラダは野菜に負担がかからない方法で洗浄しているので、未開封ならば加工日から5日間は鮮度が維持できます」

 スーパーでは、消費期限が近づいた生鮮食品を「見切り品」として割引販売するケースもあるが、すべて売れるとはかぎらない。さらに、消費期限から1~2日前には店で廃棄しなければならず、パッケージサラダは売れ残りが出ないように発注量を抑える傾向があるという。

「パッケージサラダは消費期限が短く、多く発注すると廃棄ロスにつながるので、夕方以降には欠品しているお店も多いです。でも、サラダクラブの千切りキャベツとミックスサラダは消費期限がほかよりも1日長いため、多めに発注してくれる小売店もあります。すると、仕事帰りで夜遅い時間にしかスーパーに行けない人もパッケージサラダが買えるので、結果的に店頭で処分する量も減らすことができます」