現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する
脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。
牡蠣で水銀・鉛を解毒する
すり傷が治りにくい、肌の乾燥がおさまらないと感じたことはありませんか? あるいはチョコレートやあめを食べたのに甘さを感じない、といった味覚障害はありませんか?
それは亜鉛が不足しているせいかもしれません。ファストフードやジャンクフードを食べすぎると亜鉛の吸収が悪くなって味覚が鈍ることがあります。
牡蠣などに多く含まれる亜鉛は、新しい細胞を作るのに欠かせない材料です。脳細胞も内臓の細胞も、皮膚の細胞も新しく作られる際には亜鉛が必要です。さらに、亜鉛にはすでに蓄積した鉛や水銀の毒性を弱める働きもあります。
世界で20億人以上が亜鉛不足
ところがいま、世界で20億人以上の人が亜鉛不足だとされています。日本人も例外ではありません。
亜鉛は栄養成分のミネラルにあたる微量元素です。体内では亜鉛は、銅とライバルのような関係にあります。亜鉛1に対して銅1のバランスが理想なのですが、先進国では銅が勝る傾向が強いのです。亜鉛と銅が真っ向から対決すると亜鉛が負けて、銅は過剰になり亜鉛は不足しやすい傾向があります。
銅にもヘモグロビンを合成して体内に酸素を巡らす、メラニン色素を作って体を紫外線から守るなどの働きがあります。
銅は、脳と体に損傷を与えるフリーラジカルを発生しやすいのですが、亜鉛と銅のバランスをよくすれば銅による毒を出すことができます。
本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。