現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する
脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。
自然塩のすすめ
私は以前、塩は本当に体に悪いのかという疑問を持ち、日本各地の自然塩をはじめ、世界中の海塩や岩塩を集めて味や成分を比較したことがあります。
まず感じたのは、自然塩は塩辛くないということです。もちろん塩の味はしますが、精製塩とはまるで違って塩けがまろやかなのです。塩というからには塩化ナトリウムが主成分ですが、それ以外のミネラルの含有バランスや、製法、産地によって微妙に味が違います。
それをさまざまな角度から分析した結果、体にいいのは海水と同じミネラルの割合の自然塩だという結論に達しました。その成分は塩化ナトリウムがおよそ78%で、他に塩化マグネシウム9%、硫酸マグネシウム6%、硫酸カルシウム4%が含まれています。この割合の塩を選べば、塩分摂取量の目標値が1日7.5グラムの男性の場合、9.6グラムは食べることができます。
「平釜法」「天日法」「採掘法」の塩
塩を選ぶときには「平釜法」「天日法」「採掘法」で作られたものかどうかを確認してください。岩塩も自然のミネラルバランスが取れている体にいい塩です。「にがり補足再製塩」とあるものは純粋な天然塩ではないので注意してください。
また自然塩にはナトリウムと相反する働きをするカリウムが含まれているものもあります。とりすぎると血圧が上がるナトリウムと、血圧の上昇を抑えるカリウムを同時にとれるので、高血圧になりにくいことは言うまでもありません。
私が群馬県で運営している介護付き有料老人ホームでは、自然塩のほかに自然塩で作る塩麹なども活用しています。入居者さんの1日の食事の塩分は10.5グラムですが、入居すると血圧が下がる方がほとんどです。いい塩を選びさえすれば味気ない食事を我慢することはありません。
本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。