現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

自覚症状のない小さな脳梗塞は<br />寒さが原因で起こる!<br />食前に飲むといい解毒水の作り方Photo: Adobe Stock

食物繊維が脳を救う

便通をよくすることで知られる食物繊維には、体内の毒素を排出する働きもあります。食物繊維が便通をよくするのは、便を柔らかくして便のかさを増やし、腸の動きを活発にしてくれるからです。排便は体に備わった毒出しの主力ですから、スムーズに便を出すことは毒出しの基本となります。

とくに、めかぶや昆布などの海藻類に含まれるねばねば成分、こんにゃくや寒天に含まれている成分は、腸内に長く止まって固くなった便を柔らかくして、便秘を解消するのに役立ちます。やまいもやなめこ、オクラなどに含まれているねばねば成分は、便秘を改善するだけでなく、まさに毒出し臓器ともいえる肝臓と腎臓の機能を高めてくれます。

また、食物繊維は、腸の善玉菌のエサにもなります。善玉菌が増えて腸内環境が整えば、滞った便に含まれる悪玉菌から、アンモニアをはじめとする有毒ガスは発生しません。ほかに食塩に含まれているナトリウムを排泄したり、コレステロールの吸収を抑えるなど、食物繊維にはたくさんの働きがあります。

食前の「レモン&しょうが水」が肝臓にいい

食前に、レモン果汁としょうがのしぼり汁を入れた常温の水を飲むと、毒出し効果が期待できます。レモンに豊富な酵素は、肝臓の機能を高めて毒出し力を高めます。体を温めるしょうがには、脳を含む全身の血管を広げて血流をよくする働きがあります。脳で排出された毒は血管に入って肝臓に送られて解毒されるので、血流をよくしてせっせと毒入りの血液を肝臓に運べば毒出しにつながるというわけです。

レモンだけ、しょうがだけでも効果が期待できますから、食前酒ならぬ解毒水として食前の習慣にするといいですね。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
自覚症状のない小さな脳梗塞は<br />寒さが原因で起こる!<br />食前に飲むといい解毒水の作り方

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。