グリーンボンドに続いて、ブルーボンドが脚光を浴びつつある。積載能力で世界最大のコンテナ船主であるカナダのシースパンは今年、ブルーボンドを10億ドル(約1140億円)近く発行した。海上での温室効果ガス排出や汚染物質の低減につながる船舶に使途を限定することで、新たな投資家を引き付ける狙いがあった。この案件から、持続可能な投資に対する熱狂ぶりが世界の海にまで拡大していることがうかがえる。ブルーボンドは、気候変動への対応や化石燃料からの移行促進を目指し、関連プロジェクト向けの資金調達コストを抑制するために発行される「グリーンボンド」の新形態だ。132隻を運航するシースパンは当初、同社初の米ブルーボンド5億ドルを7月に発行し、温室効果ガスの排出を減らす船舶の支払いに調達資金を充てる予定だった。だが予想以上に投資家の需要が集まったため、同社はジャンク(投資不適格)級の8年債を7億5000万ドル(利回りは年5.5%)発行することができた。
グリーン投資、海洋業界のクリーン化も視野
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