人工衛星が気候変動対策の強力なツールとして台頭してきた。隠れた地球温暖化ガスの排出源を特定するほか、各国による国際協定の順守状況を監視することも可能だ。  過去3年には、ロシアやトルクメニスタン、米テキサス州パーミアン盆地などにおいて、それまで報告されていなかったメタン流出(もしくはすでに知られている汚染源による推定排出量の上振れ)が衛星画像によって確認された。これに伴い、国際社会に対立をもたらすこともあった。  こうした隠れ排出を暴いているのは民間企業や環境保護団体などで、宇宙機関が保有する多目的衛星のデータを活用しているケースもある。