米国と中国は、バイデン政権が言うところの「戦略的競争」のさなかにあり、台湾がその焦点として浮上している。だが同政権内では、中国が米国の権益にとって、重大な経済的・政治的・技術的な挑戦となっている一方で、直接的な軍事的脅威をもたらしてはいない、という見方が優勢なようだ。これは戦争、そして最終的には米国の敗北を招きかねない非常に軽率な想定だ。そのような破滅的な結果を回避するには、中国が軍事的脅威であり、有事が近いかもしれないということを米国は認識しなければならない。中国が差し迫った軍事的脅威と言える理由は何か。第一に、中国政府は台湾を支配下に置くために武力行使をいとわないと明言している。台湾を支配するということは、かつて失ったとする領土を取り戻すだけでなく、中国がアジアで覇権を確立する上で欠かせない一歩となる。これは机上の空論ではない。中国軍は上陸作戦の演習を行っている。また商業衛星の画像から、アジアで米軍を標的とした大規模攻撃の訓練を行っていることがうかがえる。
【寄稿】台湾有事は目前、米はアジアに集中を
米軍は他のことを切り捨てても今はアジアに集中する必要がある
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