半導体不足は、世界で最ももうけている自動車メーカーにさらなる利益をもたらしている。トヨタ自動車にとっての課題は、電気自動車(EV)へのシフトがさらに進む将来をどう乗り切るかだ。トヨタが4日発表した2021年7-9月期(第2四半期)決算は、販売台数が前年同期からほぼ横ばいにとどまったにもかかわらず、営業利益は48%増となった。半導体をはじめとする部品不足で生産に支障が生じている他メーカーとは対照的だ。トヨタはおそらく高級車の生産を優先したのだろう。売上高(11%増)、営業利益のいずれも、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスがまとめた市場予想を上回った。利益率も改善した。これは半導体不足による追い風によるところが大きい。新車がなかなか手に入らず、中古車価格も高騰しているため、トヨタは通常ディーラーに提供する販売奨励金を容易に抑えることができた。