ナンシー・ペロシ米下院議長とジョー・バイデン米大統領が5日夜、いかにして1兆ドル(約113兆5600億円)のインフラ投資法案の下院通過を成し遂げ、民主党や米国、そしてもしかすると人類の未来をも救ったのかを伝える勝利宣言のような記事が、米マスコミの報道にあふれている。しかし、より正確に言えば、分裂状態にある民主党を救ったのは、民主党案に賛成票を投じた13人の共和党議員だ。民主党左派6人の議員が同法案に反対票を投じたため、わずかの議席差で下院を支配している同党だけで法案を可決することはできなかった。共和党議員の賛成票がなかったら、同法案は成立せず、民主党は新たな政治的敗北と、党内対立の激化に直面していただろう。しかし今や民主党幹部らは、4兆ドルの歳出・課税法案の可決へと対応を急いでおり、この法案が成立する可能性は以前より高まっている。