中国政府による不動産業界への包括的な締め付けは、ついに行き過ぎたのかもしれない。中国の規制当局は、不動産開発業者が経営不安を抱える同業他社から資産を取得しやすくするよう、規制緩和を検討している。昨年導入された現行規定では、開発業者の借り入れ能力は「三道紅線(3本のレッドライン)」と呼ばれるレバレッジ規制の順守状況によって決まる。この規定がネックとなって、健全な企業が経営危機に瀕(ひん)している他社から仕掛かり物件を購入することに二の足を踏んでおり、国有企業ですら渋っていた。中国人民銀行(中央銀行)が検討している規制緩和はこの問題に直接対処するものだ。具体的には、取得を目的とする債務については、不動産開発業者の借入比率の計算に入れないというものだ。政策シフトの手掛かりが浮上した10日以降、中国不動産開発業者の株価は大きく持ち直している。