現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「考え方のクセ」に気づこう
何かと自己肯定感を口にする人が増えました。僕への質問でも、よく「自己肯定感が低いんですが、どうすればいいでしょうか?」という質問がきます。
そうやって自己分析ができている時点で、いくらかはマシなのかもしれませんが、自分ではなかなか気づくことができないのが「考え方のクセ」というやつです。
いくつか質問を見たり、そういう考え方の人を観察してみて、「ある特徴」があると感じたので、それについて紹介したいと思います。
さて、質問です。
人の意見に対する反応について、ある質問をしましょう。
あなたは、友達2人と一緒に、レストランにいるとします。
AとBという料理を食べ比べて「Aの方がおいしいな」とあなたが感じたとしましょう。
そこで、一緒にいる友達2人が、「Bの方がおいしいね」「たしかに」という会話を始めたとします。
さて、あなたはどのような反応をするでしょうか。
自己肯定感が高いと……
ここで自己肯定感が高い人は、「え、Aの方がおいしいじゃん!」と、瞬間的に反応することができます。
味覚というのは曖昧で、自分が感じたことに対して100%の自信を持つことは、そう簡単ではありません。それでも、「一度、自分が感じたことを素直に言える」というのは、かなり自己肯定感が高いことだと思います。
だって、一度は「Aがおいしい」と答えても、もう一度、じっくり確かめてみて「Bも悪くない気がしてきた……」と、後から修正をすればいいだけです。そういう訂正ができるかどうか。みんなと違う意見を言うことが「恥ずかしい」と思ってしまうのかどうかが、かなり重要なのです。
自己肯定感が低い人は……
これに対して、自己肯定感が低い人は、つねに顔色や空気を気にしています。
「(Aの方がおいしいと思ったけど、それは私が間違っているんだ……)」と心の中で考えてしまい、「うん、私もBかな?」というような答え方をしてしまいます。
人間は「共感性」によって進化した側面もあるので、そうやって周りに合わせることは、ある程度なら仕方のないことです。
しかし、いったんは躊躇してでも、「私はAの方がおいしいかな?」と伝えることが、自己肯定感を高く生きるには重要ではないかと思うのです。
「小さな嘘」を積み重ねないために
ここでの例は、日常のささいなことですが、日本は昔、「勝てない戦争をする」という選択をしてしまいました。
自分の心の中で「やめたほうがいいのでは?」と思っても、自分の意見を言うと非国民にされてしまう。そんな歴史をたどってきています。
周りと違う。そういう思いを持ってしまったときに、「自分が間違っているから意見を変える」のか、「自分が思ったことを貫き通す」のか。
これからの日本では、後者の方が圧倒的に生きやすくなります。SNSで個人の意見は拾われる可能性が高いです。いくら大企業が発信しているような情報でも、間違っていることはすぐに糾弾される世の中です。
上の料理の例は、とても細かなことに見えますが、そういう小さな嘘の積み重ねによって、あなたの心は蝕まれていきます。
そうならないためには、今日から「思ったことをそのまま言う」を実践してみることです。
「私は私」「僕は僕」と思ってみてください。そして、意見を言ってみる。周りに理解されなくても、まずは表明する。その小さな勇気を持ってみるようにしましょう。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。