
参院選、与党過半数割れ、新興政党躍進
“演出”した無党派層の積極投票参加
参院選挙での大敗を受けて、自民党は8月8日に開いた党両院議員総会で、2027年9月予定の総裁選挙の前倒しを検討することになった。
総会では石破首相の退陣を求める意見と、続投に意欲を示す首相擁護の声もあったなかで、改めて総裁選管理委員会で所属国会議員や地方の声を確認し、前倒しの是非を判断するという。自民党では並行して選挙敗北の原因などの総括を、8月末をめどにするというが、実態は「石破おろし」の攻防が前面になっている感はいなめない。
一方野党では、日本維新の会が8日の両院議員総会で、前原共同代表の辞任にともない新たに藤田文武前幹事長が新共同代表になる人事を決めたが、各党の主要な関心は、衆参両院での少数与党体制のもとで、野党間や与党との連携でいかに主導権をとって存在感を示すかに移っている印象だ。
参院選では、「日本人ファースト」を唱えた参政党の躍進に象徴されるように、自民、公明の与党だけでなく、立憲民主党や維新も議席は伸び悩んだり減ったりするなど、多党化・小党分立化の様相になった。
一方で投票率は15年ぶりに50%台後半に達し、とりわけ東京など都市部で無党派層が積極的に投票所に行ったことが目立ち、自民党は若年層の支持が激減したのに対し、参政党や国民民主党、れいわ新選組などが20歳代から50歳代にかけての層の支持を大幅に伸ばしたことが明らかになっている。
有権者のなかで何が起こったのか。まずはこの分析をし、問題に対応することが必要だろう。