英蘭系エネルギー大手ロイヤル・ダッチ・シェルは、オランダの王冠を手放し、より機敏な英国の平民になろうとしている。これは投資家にとって朗報だが、それを迫られる前に自主的にやっていれば、さらに良かった。シェルは15日、英国とオランダに分かれていた組織構造を見直し、英国に一元化することを発表した。社名も「ロイヤル・ダッチ」を外し、単なる「シェル」に変更する。エネルギー移行のペースが加速する中、こうした措置は自社株買いの加速やポートフォリオの変更を後押しすることになる。同社に排出量の削減を求めるオランダの裁判所の判決は免れないが、オランダを離れれば、他の同様の訴訟を回避できる可能性はある。同社の経営陣は、今回の措置は2005年に開始した構造の簡素化を締めくくるものだとしているが、アクティビスト(物言う株主)の米ヘッジファンド、サード・ポイントから最近圧力を受けたことが多少なりとも影響したとの印象は免れない。受動的な印象が否めない措置は、この構造見直しだけではない。同社は最近、温室効果ガスの総排出量削減を表明したが、それはオランダの裁判所が同社に排出削減を命じたわずか数週間後のことだった。排出量削減を表明した際、経営陣は既存の計画を正式化しただけだと主張した。
シェルの構造見直し、低炭素化への移行後押し
自社株買いや合併がしやすくなり、投資家にとって朗報
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