米製薬大手ファイザーは、開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬について、低・中所得国による調達を支援するため国際保健機関に製造ライセンスを供与する。国連が支援する非営利団体(NPO)「医薬品特許プール(MPP)」とファイザーが16日明らかにした。同社の抗ウイルス薬「パクスロビド」について、MPPが他の製薬会社に製造のサブライセンスを供与し、サハラ以南のアフリカなど95カ国向けの供給を後押しする。MPPのチャールズ・ゴア氏は、少なくとも10社余りのジェネリック医薬品メーカーが参加することで、低・中所得国向けの供給支援と薬価引き下げにつながるとの見方を示した。ファイザーは今月、パクスロビドの後期試験で安全性が確認されたと発表。高リスクで軽度から中等度のコロナ患者が発症から3日以内に服用したところ、入院や死亡のリスクが約89%低下したという。