中国の不動産開発業者はここ数年にわたり、建設した物件の数を大きく上回る住宅を販売してきた。これまでは非常に順調に機能していた「在庫ライト」モデルと言われる戦略だ。だが、ここにきて懸念を強める地方政府が一段と厳しい視線を向けており、すでに資金調達で四苦八苦している不動産開発業者をさらに追い込みかねない状況だ。中国の住宅市場はなお深刻な不況が続いている。10月の新築住宅販売は前年同月比22.6%落ち込み、減少幅は9月の15.8%から拡大した。新築住宅価格は前月比0.2%下落し、2カ月連続のマイナスとなった。こうした中、開発業者は販売成約済みの仕掛かり物件にますます資金繰りを頼る構図を強めている。中国国家統計局によると、開発業者の資金のうち、昨年は事前販売の支払金や頭金などが約3分の1を占めた。そのため、住宅市場が失速すれば、すぐに手元資金が枯渇しかねない。さらに他の資金調達ルートもほぼ断たれており、開発業者の資金繰りは悪化の一途をたどっている。不動産開発業者が10月に国内の融資や外国資本から確保した資金は前年比27%落ち込んだ。ゴールドマン・サックスの分析によると、調査対象の開発業者100社による10月の債券発行額も前年比71%急減し、過去最低となった。