電気自動車(EV)メーカーの米テスラに対する見方がどうあれ、自動車銘柄から今すぐ投資を引き揚げることは理にかなっている。2年前、中国を除く世界の自動車メーカーの時価総額上位10社の合計は約6800億ドル(約77兆5500億円)だった。今では2兆ドルを超えている。テスラは3位から断トツのトップに躍り出た。EVメーカーのリビアンとルーシッドは今月に入り、ホンダとフェラーリを抜き去った。リビアンの株価は10日の新規株式公開(IPO)以降、倍以上に高騰している。こうした異常なまでの時価総額の急拡大は、ランキングの変化を見ると主にEVに関連していると考えられるが、理論立てて説明するのはほとんど不可能だ。成熟産業の利益予想が3倍になることはあり得ない。テスラの7-9月期営業利益率である14.6%という水準には将来性があるが、EVがガソリン車より収益性が高くなる可能性はあっても、3倍というのはとっぴだ。