コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はエイチ・アイ・エス、オリエンタルランド、帝国ホテルの「観光/レジャー」業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
エイチ・アイ・エスは6割弱減収
帝国ホテルは四半期増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の観光/レジャー業界3社。対象期間は21年5~9月の直近四半期(エイチ・アイ・エスは21年5~7月期、その他2社は21年7~9月期)の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・エイチ・アイ・エス
増収率:マイナス59.3%(四半期の売上高231億円)
・オリエンタルランド
増収率:マイナス9.9%(四半期の売上高477億円)
・帝国ホテル
増収率:24.0%(四半期の売上高65億円)
※オリエンタルランド、帝国ホテルは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
観光/レジャー業界の主要3社では、エイチ・アイ・エス、オリエンタルランドが前年同期比減収、帝国ホテルが増収となった。明暗が分かれた要因とは何だったのか。時系列データを踏まえて解説する。