ジョー・バイデン米大統領とその側近たちは、民主党の象徴的存在であるフランクリン・D・ルーズベルトとリンドン・B・ジョンソン両元大統領を、バイデン氏が歴史に残したいと期待する足跡のモデルとして引き合いに出す。大統領首席補佐官のロン・クレイン氏は先月末、バイデン氏の支出計画が「実質ドル価値で、ニューディール政策の倍の規模になる」と豪語した。バイデン氏の計画は、金額で見れば確かに大きい。しかし、この2人の元大統領が直面していた政治的・経済的背景は、現在とは大きく異なっている。この違いが既に、バイデン氏の計画に制約を加えており、同計画の持続性に疑問の声が上がっている。バイデン氏の大統領執務室には、目立つ位置にルーズベルト氏の肖像が飾られている。ルーズベルト氏が前例のない壊滅的な経済状況に直面した際、彼が率いる民主党は連邦議会で圧倒的多数の議席を確保していたが、現在の議会は当時と異なり、民主・共和両党の勢力がほぼ拮抗している。