割安な日本株が見直される過程で
機械、電子機器、輸送用機器に注目

 日本では、どうだろうか。日本政策金融公庫が行った調査によると、日本で開業した人の平均年齢はおおむね40歳台で推移している。開業前のキャリアは、企業で正社員および常勤役員として勤めていた人が8割で、6割以上が管理職経験者である。

 また離職理由は、自らの意思で退職し開業した人が9割近くで、前向きな選択として開業を選んでいることがわかる。このような人材は、開業までにビジネスや経営に関する十分な知識や経験を積み、ネットワークもあり、資金計画を立て開業しているようで、7割の人が開業に満足しているそうだ。

 これらから米国や日本で成功している起業家には、共通する特徴が容易に見いだせるだろう。十分な教育を受け、企業での実務経験およびマネジメント経験を積み、業界でのネットワークを構築した人材が、成功する可能性の高い起業家のユニバースなのだろう。

 日本では、コスト削減を優先し非正規雇用を増やしてきたため、このような起業家ユニバースは先細りになっていると思われる。今の日本で、米国のように新しく起業したビジネスが、日本経済全体を大きく成長させる規模まで広がっていくことを期待するのは難しいだろう。

 欧米での経済成長は、より持続的なものとなるだろう。日本の大手自動車メーカーは不足していた半導体の確保にめどがついたらしく、11月以降順次生産台数をパンデミック前の水準まで戻していく計画を発表した。

 日本企業のグローバル・サプライチェーンの重要拠点の一つである東南アジア各国でも、ワクチン接種率が50%を超えてきており、先進諸国を追いかけるように、経済活動再開に向け動き始めている。ようやくサプライチェーンの混乱に、収束への動きが出てくるだろう。

 インフレは景気回復の腰折れを招くほど急ピッチではなく、持続的な経済成長に伴う緩やかなペースへと収束していくだろう。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げは22年第4半期からスタートし、景気回復が続く中、23年も年4回ペースで行われると考えている。これは成長とインフレが同居する、リスク資産にとってフレンドリーな環境が続くことを意味している。

 日本企業の業績は、グローバルな景気回復からメリットを受け改善していくだろう。業績見通しを引き上げることに極めて慎重な日本企業でも、今年度の決算期末まで残り時間が短くなり、目標未達リスクが後退すれば、次第に業績見通しを引き上げていくとみている。

 日本経済の低成長イメージもあり、割安な水準にある日本株の株価とバリュエーションは、堅調な業績の改善を反映した水準へと修正されるだろう。また22年も世界経済の成長が持続することは、世界の景気サイクルに敏感な日本株にとっては、追い風が続くことを示唆している。

 この上昇過程で、グローバルな景気サイクルに敏感な設備投資関連の資本財セクター(機械セクター、電子機器セクターなど)、および耐久財メーカー(輸送用機器など)とその関連企業群のセクターに注目している。

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