日本株を動かす海外投資家の好きな銘柄は、国際競争力があり収益性が高い大型株。中でも業績も株価も堅調なのが、「労働生産性」が安定的に改善している企業である。労働生産性は計算式が複雑で、ネット証券等のスクリーニングでも抽出できないが、今回は上位企業をランキングで特別公開。特集『今仕込みたい「強い株」』(全15回)の#2では、海外投資家好みの上昇相場の主役候補をリストアップした。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
海外投資家の買いに乗りたければ
「労働生産性の改善」に注目しよう
「海外投資家はクオリティの高い銘柄を買う傾向が強まっている」(SMBC日興証券の圷正嗣ストラテジスト)
足元の日本株を動かしているのは海外投資家だ。東京証券取引所が公表する現物株の投資部門別売買状況(売買代金)では、海外投資家の売買シェアは66%を占めている。
特に日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など指数が大きく動く局面では、海外投資家の買いが上昇をけん引する。なぜならば、個人投資家は逆張り投資を好むため、高値を買っていくのは海外投資家だからだ。今後、日経平均が上昇相場入りするのであれば、個人投資家も逆張り一辺倒は避けた方がいい。
では、海外投資家が資金を投入する「クオリティが高い銘柄」とはどんな銘柄か。簡単に言うと、高い技術を武器に国際競争力があるなど、景気や政策の追い風がなくても、独自の強みで収益を上げられる企業のことである。
とはいえ、単年度のROE(自己資本利益率)や増益率だけでは、本当のクオリティー銘柄を選別するのは難しい。そこで圷氏が選別材料のアイデアとして挙げるのが「労働生産性・安定成長スコア」である。
「株価のパフォーマンス面でも、生産性を持続的に改善させた企業が勝者となっている」(圷氏)
次ページ以降では、「労働生産性・安定成長スコア」について解説しつつ、上位企業をランキングで特別公開。
労働生産性はネット証券等のスクリーニングでは抽出できない。計算式も複雑なので、見たことのない個人投資家が多いはずだ。
成長率という「攻め」と安定性という「守り」の両方を取り入れた中長期で安定成長が狙える候補がそろうので、ぜひチェックしてほしい。