イラン「停戦後の世界」織り込み始めた日本株、トランプ関税“ショック後”に類似の株価形成で注目業種は?Photo:PIXTA

日本株は米国・イスラエルとイランの停戦後の世界を織り込み始めている。現在の株価形成は2025年のトランプ関税ショック後と似ており、業績影響が限定的なら上昇余地は残る。一方、原油供給の再開が遅れれば供給ショックに発展し、企業業績と株価の重荷となる。投資戦略では、紛争後に変わったものと変わらないものを見極める必要がある。(UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント ジャパン・エクイティ ストラテジスト 小林千紗)

株価形成は2025年トランプ
関税発表後のパターンと類似

 TOPIX(東証株価指数)はイラン紛争前の水準を回復していないが、日経平均株価はイラン紛争前の水準を取り戻した。米・イランの合意、さらに重要なホルムズ海峡開放≒原油供給再開の時期は依然として不確実であるものの、株価は既に停戦後の世界を織り込み始めている。

 現在の株価形成は、2025年の米国関税発表後のパターンと類似していると考える(図表1参照)。現状において、最悪期は脱している。コスト増・物価上昇は避けられないが企業の価格決定力は強く業績への影響はマイルドにとどまる。

 とすれば、マクロ環境は紛争前の状況から極端な乖離はないだろう。つまり、米国経済は底堅く、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げフェーズは続き(遅れるかもしれないが)、株式市場を下支えすると株式市場は受け止めている。

 さらに直近2~3週間は、25年11月以降の「SaaSの死」やAI設備投資過大に対する懸念からアンダーパフォームしていた米国大手テック銘柄に対するセンチメントの改善がけん引し、日本株を含むグローバルAI関連銘柄に資金が流入している。これらのセグメントは中東情勢による直接的影響が軽微であるため、業績確度が高いことも安心材料となっている。