サウジアラビアは地対空ミサイル(SAM)「パトリオット」の迎撃ミサイルが底を尽きつつあるとして、米国や湾岸・欧州諸国に対して迅速な追加供給を強く求めている。背景には、イエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ派」によるドローン(小型無人機)・ミサイル攻撃にさらされていることがある。米国とサウジの当局者が明らかにした。サウジはイエメン内戦に介入しており、フーシとは敵対関係にある。サウジ軍はパトリオットでフーシ派の集中砲火の大半をかわしているものの、空中で相手の兵器を撃ち落とす手持ちの迎撃ミサイルが極めて危険な水準まで落ち込んでいるという。一方、米軍はこれまで自国部隊を守り、サウジにも安全保障を提供してきた軍装備の多くを再配置した。中国への対抗を重視し、中東から距離を置くバイデン政権の戦略に沿った動きだ。