各国がワクチン忌避者の説得に努める中、シンガポールはとりわけ厳しい戦略を打ち出した。同国はワクチン未接種者に対し、コロナウイルスに感染して治療を受けた場合の医療費全額給付を停止する。シンガポール政府は昨年来、経済的な理由で市民が懸念を募らせることのないよう、ほぼ全てのコロナ感染患者について治療費を全額支給してきた。だが政府は8日、ワクチンを接種していない感染者への支援を中止した。オン・イエクン保健相は先月、「この重要なシグナルを発信し、対象者は全員がワクチン接種を受けるよう呼びかけなければならない」と述べていた。ただ、シンガポールの政府発表によると、同国は子供などを除く対象者の96%がワクチンを接種済みで、世界でも最高水準の接種率を達成している。これは、ワクチン未接種者の活動を制限することで実現した面もある。未接種者はフードコートで食事をしたり、ショッピングモールに入ったりすることはできない。しかし、それで全ての人を説得できたわけではない。
シンガポールのワクチン未接種者、コロナ治療は自己負担
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