トヨタ自動車は電気自動車(EV)に本腰を入れ始めたが、フォルクスワーゲンやゼネラル・モーターズ(GM)ほどではない。アクセル全開にしていない理由の幾つかは、他の理由よりも理にかなっている。販売台数で世界最大手のトヨタは14日、米テスラが普及させた推進技術に対する新たな多くの取り組みを表明。2030年までにバッテリーEV(BEV)の販売台数を従来の200万台から350万台に引き上げる目標を発表した。中国、北米、欧州で高級車ブランド「レクサス」を2030年までに全てEVにする見通しも示した。さらに、来年米国で発売する旗艦EVモデル「bZ4X」に続き、一連の新BEVモデルを発売する予定だ。それでも、トヨタのメッセージは多くの同業他社とは異なり、より微妙なニュアンスにとどまっている。同社はBEVではなく、多様な対応に大きく賭けているのだ。豊田章男社長は記者会見で、「平均的な人に対する最善策というのは、全ての人にとっての最善策ではない」と述べた。