米国の戦略担当者らは、サイバー攻撃や極超音速兵器の時代であっても、米中の覇権争いの中では昔ながらの自然地理学的な対応が重要であることに気付き始めている。人口の少ない太平洋の島しょ諸国が、米国とその同盟諸国の熱い視線を集めていることは、こうした認識がもたらした成果の一つだ。ミクロネシア連邦(FSM)、キリバス、ナウルを結ぶ海底ケーブル敷設事業に対する米国、日本、オーストラリアによる共同投資は、その最新の一例である。国務省が11日に出した報道発表「Joint Statement On Improving East Micronesia Telecommunications Activity(東部ミクロネシアの通信活動の改善に関する共同声明)」は、地政学的な転換点を示唆するものではないかもしれない。投資を受ける国々の人口は合計してもアイダホ州ボイシの人口に届かず、国内総生産(GDP)も何分の1かにすぎない。しかし、米軍基地があるグアム、ハワイ、オーストラリアと同じ重要な海域に、641の島々を有する(その大半はFSMに属する)。
【社説】太平洋の島しょ国が外交上重要な理由
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