アフガニスタンは今、最も困難な1年に突入しようとしている。イスラム主義組織タリバンが支配するアフガンの新政権は、国際社会に承認されておらず、米国によって世界の金融システムから切り離された状態にある中で、8月の米軍撤退以降に40%以上縮小した自国経済を再始動させようと苦闘している。過去数十年で最悪の干ばつに、外国の多くの援助プロジェクトが停止された影響が加わり、今後数カ月で数百万人ものアフガン人が飢餓に直面する恐れが出てきている。国連アフガニスタン支援団(UNAMA)のデボラ・ライオンズ事務総長特別代表は「われわれは人道的大惨事の瀬戸際にあるが、その惨事は防ぐことが可能だ」と語った。特にアフガン東部、北部での不満の高まりに乗じて、過激派組織「イスラム国(IS)」の勢力が既に毎日のように、タリバンとアフガン内の少数派であるシーア派に攻撃を仕掛けている。タリバンが女性教育などの分野でこれまで不寛容な姿勢を維持していることや、テロの脅威があるため、8月にアフガンから退避した大半の欧米諸国の大使館職員たちがすぐに戻ってくることはないだろう。
タリバン支配下アフガンの危機、世界に波及か
難民・テロリズムと麻薬の問題、地域の不安定化で欧州などに飛び火する可能性も
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