自分の「個」と響き合うものを感じる
アート作品もそうです。
誰かが高く値付けしているから立派な芸術というわけではない。
自分の心にスッと馴染んで、心地いい絵があるのなら、それが自分にとっての最高のアートでしょう。
僕のアートとの付き合い方というのは、いつもそういうものです。
パッと見た瞬間に、心と響き合う何かがある。
その筆づかい、色の重ね方に、僕の「個」では成し得ない素晴らしい手仕事を感じられる。
「個」の命そのものが息づいている。
確固たる「個」として光る芸術に出会えたときに、僕の「個」もまた、喜びに震えるのです。
(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)