革新ペースの早さで知られる消費者向けテクノロジー業界だが、今年は大きく後戻りした。年初来でS&P500種指数は27%余り上昇している一方、ナスダックCTAインターネット指数はマイナス圏にある。著名投資家キャシー・ウッド氏のアーク・イノベーションETF(上場投資信託)のパフォーマンスはS&P500種を49ポイント近く下回っており、今年に入り純資産総額(NAV)が21%減少した。9月30日時点でアーク・イノベーションETFは30%超をIT(情報技術)に投資していた。ウッド氏だけではない。今年多くのハイテク株に投資した人は、そのうち数銘柄でやけどをしたに違いない。大きく値下がりした銘柄には、室内用エクササイズバイクの販売などを手掛けるペロトン・インタラクティブ(年初来約75%安)、ファッション系フリマアプリのポッシュマーク(同約82%安)、オンライン教育サービスのチェグ(同66%安)などがある。一時はめまいがするほど多くの銘柄が一斉に急落した。チェグ、ペロトン、不動産情報サイトのジロー・グループ、動画共有サイトのビメオはいずれも直近の決算発表の前後に株価が急降下し、先月には1週間で合計263億ドル(約3兆円)もの時価総額が吹き飛んだ。