中国経済のゆがみ、「男余り」が影響かPhoto:VCG/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 中国は再び、政府の断固たる試みの渦中にある。住宅価格の抑制、国内消費の拡大、外国依存度の引き下げ――。なぜ、こんなにも難しいのだろうか。

 答えは数多い。だが、研究者の間では、そのパズルの興味深い一片に注目が集まりつつある。中国は女性に比べて若い男性の数がはるかに多く、それが微妙かつ強力に経済をゆがめている。1980年代に実施され、現在は廃止されている一人っ子政策と、伝統的に男児を優先する傾向が相まって、中国の人口性比(女性100人に対する男性の数)は上昇の一途をたどってきた。公式データによると、90年代後半には20代の男女の数はほぼ同数だったが、2020年には女性100人に対して男性が約111人となっていた。