中国 国際 問題写真はイメージです Photo:PIXTA

米国vs中国から
欧米vs中国へ拡大

 近年の米中対立というものは、主にトランプ前政権と習政権との貿易摩擦など“米国vs中国”という座標軸で表すことができた。しかし、バイデン政権になり、その座標軸は他国を巻き込む形で拡大している。

 バイデン大統領はトランプ政権下で冷え込んだ欧州との関係改善を果たし、自由で開かれたインド太平洋の実現のため日米豪印4カ国によるクアッド(QUAD)、米英豪による新たな安全保障協力オーカス(AUKUS)などを強化・創設し、多国間で中国に対抗する姿勢を鮮明にしている。

 今年になり、英国の空母打撃群を代表例に、フランスやドイツ、カナダの艦隊が台湾海峡を含むインド太平洋地域にプレゼンスを示すだけでなく、フランスやオーストラリアなどの元閣僚級レベルが相次いで台湾を訪問しては蔡英文政権との結束強化を表明するなど、米中対立というものは“欧米vs中国”に拡大している。

 そして、もうすぐコロナ禍に突入して2年となるが、いまだにコロナウイルスの起源の真相解明はされず、それが中国への懐疑心や不信感を高める原動力になっていることも否定できない状況だ。