核実験とICBM発射の
再開を検討
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」などは20日、北朝鮮の金正恩総書記が19日に朝鮮労働党中央委員会政治局会議を開催し、「われわれが先決的に、主導的に取った信頼構築措置を全面再考し、暫定停止していたすべての活動を再稼働する問題を迅速に検討することに関する指示を当該部門に布置(指示)した」と発言したと報じた。
信頼構築措置とは核開発・ICBM発射を一時中断したモラトリアムのことを指すのであろう。つまり、暫定停止していた核開発・ICBM発射に関わる活動の再稼働を検討するということだ。
これは金正恩総書記が直接下した結論だけに、単なる威嚇だけに終わらないとみられる。北朝鮮は今後、故・金正日総書記の誕生日(2月16日、「光明星節」)、あるいは故・金日成主席の生誕110周年(4月15日「太陽節」)などを契機に、実際の行動に乗り出す可能性が高いとみられている。
その場合考慮すべき日程としては、北京オリンピックがある。中国は北京オリンピックの成功に執念を燃やしているが、同オリンピックが2月4日から20日まで開かれることから、中国の支えが不可欠な北朝鮮はこの時期の行動を避けるのではないかとの観測がある。
なお、3月9日の韓国大統領選挙への影響について、北朝鮮はさほど重視していないようであるが、韓国国内では北朝鮮への宥和政策の成果はないとの見方が広がり保守系に有利に働くのではないかとの懸念が高まっている。