環境に優しい事業へ資金提供する「グリーンファイナンス」のブームを主導しているのは、それにふさわしいようには見えない、金融システムの中心に位置する一群の企業だ。  帳簿を監査し、債券の格付けを行い、委任投票のアドバイスを提供し、世界の企業の分類を行う大企業が、環境関連の取り組みに何十億ドルもの資金を投じている。これら企業の活動は、脱化石燃料の流れを加速させるかもしれないが、同時に新たな利益相反を生み出す恐れがある。金融業界はこれまでにも利益相反への対処で苦労してきた業界だ。