株式市場が低迷しているこの冬、退屈な企業に熱い視線が向かっている。
今年に入り米主要株価指数が下落したことから、一部の投資家は安全な逃避先を求めて高成長のテクノロジー株を売り、銀行や石油企業、電気通信会社など、株主に配当を支払う堅実な企業の株を買っている。
S&P500種の配当支払企業の上位80社で構成するS&P500高配当指数は、2月4日までに配当込みで2.1%上昇した。これに対し、4日までのS&P500種指数のトータルリターンはマイナス5.5%となった。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによれば、S&P500種の平均的な配当銘柄は1月、無配当銘柄を6.6ポイント上回る上昇となり、その差はここ17年で最大となった。
インフレ率の上昇や、米連邦準備制度理事会(FRB)が3年以上ぶりの利上げに踏み切るとの見通しを受け、景気の足取りを巡る懸念が広がっている。アナリストによれば、配当株はこうした懸念から逃れるための安全な逃避先と考えられている一方、この先の勝者と敗者を投資家が見極めようとする中、ハイテク巨人を含むかつての急騰株は低調に推移している。