システムインテグレーターで東証1部上場の富士ソフトが、3月に開く予定の株主総会でアクティビスト(物言う株主)の株主提案を受けていることが17日、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
デジタル化の追い風で増収増益
ITベンダーの富士ソフトに「死角」
システムインテグレーターは、システム開発や運用などを請け負う事業者を指し、「SIer(エスアイヤー)」と呼ばれる。
富士通やNEC、日立製作所などの「メーカー系」の他、日本IBMなどの「外資系」、伊藤忠テクノソリューションズやSCSKなど「商社系」といったプレイヤーが割拠する。コロナ禍でテレワークやテレビ会議が浸透し、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に注力する中、SIerの業績は概ね好調だ。
富士ソフトはSIerの中で、親会社やメーカーなどに縛られない「独立系」の大手だ。今月10日に公表した2021年12月期決算は、金融業向けのシステムインフラ構築などが好調で、売上高は前期比7%増の2578億円、純利益は同6.5%増の91億円だった。DXの追い風に乗り、今期も増収増益を見込む。
そんな富士ソフトに株主提案を突き付けたのは、シンガポールを拠点とする3Dインベストメント・パートナーズだ。ゴールドマン・サックス証券出身の長谷川寛家氏が15年に立ち上げ、富士ソフト株の約9%を保有する。東芝の大株主にも名を連ね、東芝が発表した会社分割案に反対したことで知られるアクティビスト(物言う株主)だ。
東芝を恐れさせたアクティビストが、富士ソフトに突き付けた株主提案とは一体何か。それはまさに、好調SIerの「死角」を突いた内容といえる。