村上世彰氏や関連する投資会社が、2012年以降に大量保有した日本株銘柄は28社に上る。彼らがターゲットとするのは一体どんな企業か。そしてどのような手口で多額の稼ぎをたたき出しているのか。特集『新・村上ファンドの正体』(全5回)の#04では、投資先を分析し、浮かび上がったある傾向をレポートする。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
村上ファンドの投資先を分析
大量保有報告書から見えた「手口」
村上世彰氏本人や、関係する投資会社のレノやオフィスサポート、南青山不動産、C&Iホールディングス、エスグラントコーポレーションは2012年以降、投資先28社の大量保有報告書を提出している。
このうち経営陣への助言や重要提案行為等を行うことを保有目的としたのは20社。既に売却した銘柄も多いが、現在も大量保有する株式は、ヨロズ、三信電気、エクセル、中国塗料、フージャースホールディングス、セントラル硝子、新光商事、東芝機械、レオパレス21の9社に上る。
大量保有報告書は、株主が上場企業の発行済み株式総数の5%超を取得した場合、5営業日以内に財務局に提出しなければならない、いわゆる「5%ルール」に基づく書類だ。
増配など会社の経営に関わる重要提案を行うアクティビスト(物言う株主)の大量保有は、買い材料視されやすい。彼らがどのようなタイミングで最初に大量保有報告書を出すかは、常に市場の関心の的だ。