「リスクを味方にする」ために必要なこと

問題は、リスクをどこまで許容するかという点です。

そのポイントは、リターン以上にわかりやすいと思います。

企業経営では、借金はリスクになる一方で、レバレッジ(てこの原理)にもなり得ます。金利が低ければ、借りられるだけ借りたほうがレバレッジは最大化します。

ところが、やりすぎると極端な変化が起こったときの防御力が弱まります。リスクは極端に忌避するのではなく、正確に見積もったうえで、必要であれば包含するのが正しい向き合い方だと思います。

リスクを味方にできない時点で、高いリターンは望めません。だからこそ、まずはリスクから考えるのが通常のプロセスなのです。

それをふまえて、自分の感覚やチームの感性で「ここまでいくと危ない」というラインを決めるべきです。

そのラインより下にあるリスクをどれだけ引き受け、どれだけ回避し、どのくらいのリターンを求めるかは、個人やチームの裁量によります。

(本原稿は、平尾丈著『起業家の思考法 「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』から一部抜粋・改変したものです)