中国が新疆ウイグル自治区の少数民族に対して強制的な同化政策を進めていることを巡り、人権団体の間では国連は中国に配慮しているとの懸念が広がっている。国連は新疆に住むウイグル族などのイスラム教徒らに対する中国政府の扱いに関する報告書を公表する予定としてきたものの遅れている。192の人権団体は8日の公開書簡で、国連に公表を促した。一方、ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官は、5月の予定で新疆地区を含め中国を訪問することで中国側と合意したと明らかにした。書簡が公表されたのはこの発表の直後だった。国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチなどがこの書簡に署名している。バチェレ氏に対し報告書の公表をこれ以上遅らせないよう求め、どのような大国であれ、国際法を超越したり、バチェレ氏の事務所による徹底した調査を逃れたりすることはできないとの「メッセージを被害者と加害者に送る」ことが重要との認識を示した。