ロシア革命からベトナム戦争に至るまで、戦争はほぼ確実にインフレを招いてきた。ロシアのウクライナ軍事侵攻によって世界の政治的、経済的な力のバランスが、インフレ率を押し上げる方向へと傾く中で、戦争とインフレの歴史が間もなく繰り返されようとしているのかもしれない。戦争は3つの理由で物価を押し上げる。その第1は、民生用需要に軍需が上乗せされることで、経済の生産能力が追い付かなくなることだ。爆撃で生産能力が損なわれた場合は、特にそうなりやすい。第2の理由は、禁輸措置、制裁措置、戦闘行為によるサプライチェーン(供給網)の途絶だ。これら要因の影響は現時点で表面化している。制裁は、すでにほころびかけていたサプライチェーンにさらなる打撃を与えている。そして、軍事支出は増加しつつある。
ウクライナ戦争、世界的インフレの火種に
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