――筆者のロエル・マーク・ゲレヒト氏は元中央情報局(CIA)の中東地域担当官で現在は民主主義防衛財団(FDD)のシニアフェロー。レイ・タキー氏は外交問題評議会(CFR)のシニアフェロー ***  米オバマ政権が打ち出した「アジアへのピボット(外交・安全保障の軸足をアジアに移す政策)」ほどの無謀な表現は、外交の世界ではめったに聞かれないものだった。現在、ウクライナで起きている戦争が示すように、米国が世界のどこかの重要地域に対して関与をやめることは、これまで一度も可能ではなかった。