ロシアによる戦争計画の変更は、自国側に最も近いウクライナ東部を確実に支配下に収めるという長年の目標へと焦点がシフトしたことを浮き彫りにする。また、ここ1カ月余りの戦闘ですでに壊滅的な被害を受けた地域で、残虐な戦闘を繰り広げる下地を整えたとも言えそうだ。ロシアは侵攻開始から2カ月目に入っても、ウクライナ東部ドンバス地方を完全に掌握できずにいる。ロシア国防省の報道官は26日、ウクライナ東部の主要都市、ドネツク近郊の二つの村の制圧を目指して戦っていると説明した。ドネツクは2014年以降、親ロ派の分離主義勢力が支配している。ロシアは25日、ウクライナの軍事作戦で第一段階の終了に近づいていると明らかにした。ロシア参謀本部のセルゲイ・ルツコイ作戦総司令部長は「わが軍の兵力と資源は重要目標である『ドンバスの全面解放』に集中的に振り向けられる」と説明した。