28日の外国為替市場では、6年超ぶりの水準まで円安・ドル高が進んだ。後押ししているのは日本の円安志向に加え、インフレ抑制を優先する米当局者が一転して、暗に円安を容認する姿勢に傾いたことがある。円は一時、2015年8月以来の安値となる1ドル=125円をつけた。半年前の相場は110円前後だった。ドル高は米国やドルペッグ制を導入している国の消費者にとって、日本製品に対する購買力が高まることを意味する。インフレ率が8%近くまで跳ね上がっている米国にとっては追い風となりそうだ。一方、日本の製造業者の視点から見ると、ドル建てのコストが下がり、米国の競合勢に対して競争力が増すことになる。こうした恩恵を背景に、日本の政策担当者はおおむね、足元の円安・ドル高の動きについて問題はないとの認識を示している。