米国の好景気・金利上昇を背景に
ドル円の上昇基調は今後も続く

 今後もドル円は、上昇基調が続くとみるのが無難だろう。米国は労働需給のひっ迫が続く中、原油をはじめとする資源価格の上昇を受けて高インフレが継続。断続的な利上げは続くとみるのが自然で、好景気・金利上昇を背景にドル買いが続きやすい。

 一方、日本では、インフレが話題になっているとはいえ、CPIの伸び率は4月に2%程度の見込み。米国の8%近辺と比べれば、たいした話ではない。

 有識者とされる方の一部は、輸入物価やCPIの上昇が目立ってきたこともあり、今回の円安を「悪い円安」と表現。円安の進展で物価上昇が加速する恐れがあるとし、日銀の金融緩和を批判する向きもあるようだが、これは結論ありき、批判ありきの類いだ。輸入物価の上昇加速は、資源価格の上昇に起因するもので、円安効果は限定的。2%物価目標を掲げる日銀が、物価上昇を後押しする円安を否定するわけがない。

 そもそも今回の円安・ドル高の進展は、前述したように日米の金融政策格差という日銀とFRBの合作によるものだ。たとえ日銀が円安(ドル高)を望まなかったとしても、FRBが利上げといった金融引き締めを続ける以上、円安・ドル高は止まらない。悪い円安を批判したいのであれば、日銀ではなくFRBに矛先を向けるべきだろう。

 ドル円が125円という節目を超えたことで、日本政府に対する要望・批判が高まるかもしれない。例えば円買い・ドル売り介入の必要性を主張する有識者が、今後、われわれの前に現れるかもしれない。

 しかし、自国通貨を買い戻すためには、保有する外貨を手放す必要がある。日本の外貨準備は、約1.4兆ドルと中国に次ぐ規模だが、ドル円の1日の取引高は、東京外国為替市場だけで40億ドル。日米金融政策格差に歯向かう格好で、日本政府が円買い介入をしたところで、その効果は数日持てばラッキーだ。

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考えるべきは、今回の円安の最終地点

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