日本銀行「指値オペ」が常態化すれば、利上げを続ける見通しの米国との金利差が拡がるとみて円安がさらに進む懸念や、金利上昇抑制で、日銀が多額の国債を買い入れる事態に陥るリスクもある Photo:PIXTA

「指し値オペ」、常態化の懸念
円相場は一時125円台に急落

 欧米での長期金上昇を受けて日本でも10年国債の利回りが、日本銀行のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)による利回り目標の上限である0.25%に再び接近している。

 日銀は3月28日に0.25%での「指し値オペ」(固定利回りで制限額を設けず買い入れるオペレーション)を約3年8カ月ぶりに実施。29日以降も連続して実施する構えだが、米国などとの金利差が広がるとの見通しから為替市場では28日には円が急落した。

 今回の日本の長期金利の上昇は、金融政策の正常化やインフレ圧力の高まりによる米欧での長期金利の上昇が波及した面が強く、今後もかなりの期間にわたって続く可能性は高い。

「指し値オペ」が常態化する恐れがあり、YCCの枠組みでの「緩和維持」は難しいかじ取りだ。